こんにちは。
フォトグラファー ハベン です。
小論文は、書き方がわからなくて、苦手だ・・・
小論文はどうやって準備したらいいの?
どんな文章を書けばいいの? と思ったりしていませんか?
この記事では、小論文と作文の違い、小論文のポイントになるのはどんな部分か、何が良い文章なのか?といったことを解説しています。
試験のときだけでなく、これからの社会の中でも、小論文を書ける能力が求められる場面が出てきます。
身につけられれば、あなたの心強い武器になりますよ。社会に出ても通用する小論文は何か、知りたい方はぜひ読んでみてください。
また、関連した内容の記事をこちらにまとめておきました。
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併せて読むことで、この記事の内容もより、理解が深まり、自分の中に落とし込めるはずです。
ボリュームがあるので、この記事をまず、お気に入りやブックマークに追加してみてください。
興味のあるところ、必要だと感じるところからじっくり読んでみてください。
では、本題に入りますね。
小論文の書き方、の前に、、、
小論文は、様々な場面に登場するようになってきました。
思いつくものを挙げてみますと、AO入試、推薦入試での筆記試験、志望理由書、国公立大学の後期試験。
特に、人と接してその命を扱う仕事につながる医学部、看護学部、医療衛生学部、保健科学部などでも、「しっかりとした考えを持って表現できるか」「不測の事態に対応できる能力を持っているか」などの能力も測れるため、必ず取り入れられています。
大学院でも、研究計画書の提出や試験としての小論文を書く必要があります。
就職活動や公務員試験においても、筆記試験で小論文を課すケースがよくあります。
会社内の昇進試験でも文章として論じるケースもあるでしょう。
このように大学受験時から社会へ出てからも、ずっと小論文はついて回るのですね。
小論文を書くという時になって検索してみると、出てくるのは「小論文の書き方」、「小論文のコツ」、「小論文 例文」「小論文対策」など、テクニックに関するトピックがたくさんヒットしますよね。
小論文を書く日が迫っていれば、なおのこと、手っ取り早くテクニックや文章の型を学んでしまおう。そして、それに沿ったものを書いたら、何とかなるだろう、と考えてしまうかもしれません。
そして、書く機会がなかったらずっと書く気にもならないものが「小論文」でしょう。
私も、日にちが迫っている時は、ともかく、文章の構造や書き方を追うことに終始してしまいました。
とにかく、焦って「どんなテーマが出るんだろう?」「どう書いたら点数が高いのか?」とか、「採用担当者は何を評価するんだろう?」「書いた文章を添削してほしいな」、と考えながら検索の言葉を考えて検索しまくっていました。
でも、テクニックに飛びつく前に、考えた方がいいことがあります。
果たして、文章テクニックを身につけただけでよいのでしょうか?
その時は乗り切れたとしても、そのスキルで、あなたは社会で活躍することはできるのでしょうか?
まだ難しいですよね。
テクニックだけだと、他人に与えられた課題(社会に出ると「仕事」)をこなすだけの存在ということになります。
例えば、企業サイトをみると、チャットのウィンドウがあって、そこに質問を打ち込むと、AIが自動的に会話をとおして手順を教えてくれたりします。
ですから、そういう仕事は、だんだんと AI (人工知能)が人の力に取って代わられてしまいます。
そう、お気づきのように、書くテクニックだけがあっても十分とは言えないのですね。
小論文の『書き方』だけに目を向けないこと
小論文を書く時に、確かにテクニックも必要です。
テーマに対して、何を尋ねられているのかを把握し、小論文の形式をよく理解してから書く。
そのことで、文章がより整理され、読みやすいものになります。
でも、どうやって書くか?(How) や、与えられたテーマに対して何を書けば良いか?(What)の部分だけでなく、
なぜ小論文形式で書くのか?(Why)という部分にも目を向ける習慣をつけるようにしたいものです。
なぜ?と考えることで、あなたの小論文の捉え方も大きく変わっていくでしょう。
わたしも、学校の授業で作文を書いたり、みんなで文集を作ったものを読むことはあっても、小論文を書いたり読んだりすることはあまりなかったので、どういうものなのかということ自体、よくわかりませんでした。
作文の方が好きなように書けましたしね。
この二つは、何が違うのでしょう?
小論文の基本と作文との違い
簡単にざっくりいうと、
小論文は「意見を論じる文章」、作文は「感想や感情を表現した文章」 です。
小論文の求めるものは、
論理性や説得力の高さ、意見、そしてなぜそう言えるかという理由も必要です。客観性と論理の「型」に沿った展開がポイントになります。
一方で作文は、
自分の心境や体験、感想を書いた文章で、自分の感性や文章表現の豊かさ、うまさ、などがポイントになります。
実例をあげてみますと、よりわかりやすいと思います。以下は、全文からの抜粋です。
<小論文>
課題:「文学は社会の役に立つか」と問う社会を問う」
「・・・ここであらためて、「文学は社会の役に立つか」という問いについて考える。
最初に述べたように、その答えは「役に立つ」という言葉をどのような意味に使うかによって変わってくる。
(「小泉信三賞全国高校生小論文コンテスト」より引用)
もしそれが実用性を意味するものなら、文学は直ちに何らかの「役に立つ」ものではあるまい。
その点は、「役に立つ」学問の代名詞といえる「科学」とは比べ物にならない。
しかし、それは文学が価値のないものであるということを意味していない。
それは、端的にいうなら「科学」と「文学」が人間精神の異なる領域を受け持っていることに由来する違いなのである。」
<作文>
「・・・ばあちゃんは確かに病気です。
(「全国小・中学作文コンクール」より引用)
でも、わたしはばあちゃんが大好きです。
ばあちゃんが笑うと、ママやみんなが笑顔になりました。
笑顔の力も知りました。
ばあちゃんがいてくれたから、ままやおばちゃんが生まれ、そしてわたしが生まれました。
いのちのバトンリレーで繋がっていることを感じました」
どうでしょうか?
わりと、日記ブログは、作文的なものが多いかな、と感じます。
小論文では、自分の知識や経験を基に、問いに対して主張を決め、なぜそう思ったか、の根拠を客観的に書いています。
要素に分けてみますと、
「読解力」で、テーマに求められているものを読み取り、
「発想力」で、自分なりの問いをたて、具体例、アイデアを考える
「論理的思考力」で、意見に対する論拠を、事実をもとに筋道立てる
「表現力」で、考えを表現し、読み手に伝える
これら4つが組み合わさって構成されます。
一方で、作文は、出来事に対しての自分の感想や、感情を伝えるための表現力や文章力が前面に出ています。
しかし、論文のように、なぜそう思ったのかまでは重視されません。
つまり、論文で必要なのは、という『筆者の主張』に対して、上にあげた4つの力を駆使して論理を展開する力なのです。
『主張』を持つためには
よくあるケースでは、会議の時に意見を聞かれて「特にありません」と答えてしまう、などがあります。
ただ、発表する人や上司の言っていることを聞いているだけで、「こんなこと言ったら、恥をかいてしまうかも?」「見当違いなことかも?」と人の目を気にしすぎていませんか?
しかし、小論文は、自分の主張、意見を論じる文章です。
自分の主張は、読んだ本や人に聞いた話など、自分の身の回りにある人や言葉に何かしら、影響を受けています。
意見の素材の由来は他の人が言っていたことかもしれませんが、それをどう解釈しているか、は自分にしかできないものです。
そして、主張することで、「自分」が生まれます。
それは、日々の習慣で、よりはっきりしていきます。意識しないと、なんとなくぼんやりと形にもならないまま過ぎて行ってしまいます。
主張を持つためにもトレーニングが必要です。
では、具体的にどうしたら良いのでしょうか?
普段から物事に関心を持つ
身の回りに起きることに対し、自分と関係ない、と思ってたら自分の主張は生まれません。
「AI時代に必要な教育を学校教育でできないだろうか?」
「子育て支援、家事の担い手として、シニアの力を活用できないだろうか?」
「食品廃棄を減らすには、なにを考えていくのが良いだろうか?」
「介護うつは、なぜ起こるのだろうか?」
社会に目を向ければ、なぜ?はたくさん転がっています。
身近な生活の中からいろんな「事実」や「事例」を拾い出し、自分の意見を文字にしてみると、主張が何なのか、姿がはっきりしてくることでしょう。
また、日本の学校教育では、平等に、みんなが同じであるように、という意識が強いように思います。
文化的なことや教育の方針で、日常で主張することを意識していないだけなのかもしれません。
私が生徒の時も、とにかく覚えることが多くて、夏休みも宿題を計画立ててこなさないといけない。
そして、テストはとにかく、どれくらい習ったことを覚えているか試すような質問ばかりでした。
なぜそう思うのか、と書く文章はあまり教えてもらわなかったですね。
なので、自分で問題点を探すということもあまりありませんでした。
でも、知ってると思ってても、相手はそう思ってなかった!という経験は、社会に出てからよく経験しました。
書いた文章に主語が抜けていて、違う意味に取られてしまったり、「どういうこと?」とうまく意味が伝わらなかったこともあります。
無意識に、そういうものかな、とか、言わなくても分かるでしょう、といった意識は一旦横に置く必要がありそうだな、と思うようになりました。
どういう世の中に生きたいのか?
このように、世の中のいろんなことに関心をもって、自分の理想はこうだ、と考えることが、最初の出発点です。
とっかかりとして、いろいろな人の意見を読むのもよいでしょう。
この人は、どんな背景を持っていて、なぜそう考えるのか、何を根拠にそう言えるのか、などを分析し、自分ならこう考えるなぁ、というものを文章として書いてみましょう。
自分の中の『こうあるべきだと思う』というのが、あなたの主張です。
だからまず自分の中に『理想』がないと主張も生まれてきません。
自分はこういうのが理想だと思う、だからこういう事柄には、こう考えれば良くなるのではないか、といったふうに考えていきます。
そして、考えるだけでなく、自分でも実践すると、頭だけで考えてることと考えが変わってきたりします。
それは、「小論文と作文の違い」で述べたように、あなたの知識や経験が、小論文を書く上での土台となることだからです。
私の場合、「仕事上でこういうケースが発生したらどう対処するか」というテーマで書くことになったことがあります。
私もそのときは、構成を考えながら必死で似たエピソードを思い出そうとしてました。
でも、時間との戦いで、すごく消耗しました。
自分の今までの仕事の積み重ねと試行錯誤が問われますね。
人によって、「私はこう対処します。なぜなら、こうだからです」と、さまざまな文章が出てくるのではないでしょうか?
また、自分が本を読んだり新聞記事を読むことで、色々な人の主張が積み重なり、神経細胞が回路を増やすように考えが深まっていき、もっと高度な主張が生まれる可能性もある、と考えています。
おおよその小論文を書く前の意識について書いてみましたが、いかがでしたか?
普段から地道に、自分ごととして、興味を持つこと、そして自分の理想の世界を決めて、そこに至るにはどうすればいいのか?と考えることが、自分の主張を持つポイントとなりますね。
ちなみに、現時点での私の理想は、多様性が当たり前になる社会になることで、たくさんの創造的なアイデアが実行しやすい世の中になるといいなぁ、と思っています。
あまり知られていないユニークなものに興味をもち、それをみんなに知ってほしい、と活動している人が、私の周りにはなぜかたくさんいます。
でも、一部の人しか興味を持とうとしていない、興味すらない、というギャップがあるのと、私自身もまだ経済的にも時間的にも制限されているので、なかなか難しい・・・
それでも、クリエイティブな表現者を画像や映像で紹介することで、知ってもらうこと、応援することを写真を通して、うまく役に立てればいいなぁ、と思っています。
誰に向けて書く文章なのか?
小論文は、誰かに向けて主張を伝える、説得する、なるほど、と思ってもらうのが前提となります。そのためには相手が必要です。
では、誰が読む文章なのか?
誰に向けて書かれる文章なのか?
を意識することで、自分の立ち位置もや、表現も変わってきますね。
大学の試験官でしょうか? 会社の人事課の人でしょうか? その論文から、どんな人物像を知りたいと思っているのでしょうか?
受験で求められる小論文
受験で、あなたの書いた小論文を読む人は、大学の試験官です。
そして、あなたはその大学に入りたいと思っています。
学校側は、入ってきてほしい学生像を持っており、学力試験だけでは分からない、生徒の「考える力」や「人間性」を知りたいために、小論文試験を行います。
そこで、試験官が読んで、あなたの主張を論理的に考え、説得力のある文章にまとめていくことができるかどうか?がポイントになってきます。
ポイントは大きく5つ
- 評価のポイント:取り扱う内容・対象の独創性
- 結論をはっきりと :あなたの主張は何でしょう?
- 論理的に整理する :序論、本論、結論の三段論法が一般的。序論(テーマの何を問題に主張する小論文なのか)本論(結論に至る理由) 結論(自分の意見、主張)
- 主張に根拠はあるか:小論文は、自分の推論、持論を展開するだけでは、全く評価されません。
事実に基づいたものであるかどうか?これが根拠になり、文章の客観性が出てきて、説得力が増します。 - 設問をしっかり読み、全体の時間配分を考える:設問で問われていることを、勝手に推理しないよう気をつけましょう。
そして、構成に時間をかけすぎると、文章を書く時間がなくなってしまいます。途中で終えられなければ、減点対象になりますので、全体の配分をあらかじめ決めて、模擬で何度か実際に書いてみることです。
また、試験官がこの学校にどういう人に入ってきてほしいと思っているか?
つまり、入学者受入方針(アドッミッション・ポリシー)といわれるものです。大学の公式サイトには、記載がありますので、ぜひ目を通しておきましょう。
アドミッションポリシーには、2015年に文部科学省から指導があり、
入学者に求める能力、
大学教育を通じてどのような力を発展・向上させるのか
高校段階までに培った能力を、どう評価するのか
が盛り込まれるよう、ガイドラインが作られています。
そこを、自分の希望大学と、自分の希望する進路を組み合わせて、考えてみましょう。
一人だけでは、なかなか難しいかもしれませんので、先生や進路指導の先生、家族とも話し合ってみましょう。
大学ではたくさんの学部があり、学べるものや、それに適した人物像があります。
特に重要視される傾向が高いのは、人の命など、コミュニケーションが大切になってくる分野でしょう。例えば、看護・医療系・保育系などが考えられます。
私は2015年以前に卒業してしまったので、このようなポリシーは見たことがありません。
あるとすれば、大手の受験関連の会社が出版した大学ごとの赤本や、大学一覧などでした。
最近は、はっきり示されるようになっているので、進路を選ぶときにとても参考になる材料だと思います。
就職で求められる小論文
就職で、あなたの小論文を読む人は、人事の人です。
研究者や先生に書くものではありません。ですので、大学の論文のような難しい言い回しで書く必要はありません。
文章の構成は、受験で求められる小論文と同じです。
人事の担当者は、この会社にどういう人に入ってきてほしいと思っているか?
それを知った上で、読む人にとってわかりやすい文章で書くことが必要になってきます。
人事担当者が見ているポイントは3つ挙げられます。
- 相手に納得してもらい、商談がまとまるような文章が書ける力があるか: 具体的な事例を入れると尚良い
- 主張にいたるプロセスに無理はないか:5W1Hを意識して一貫性を持たせる。また、ディベートのように、主張、主張の反対意見の提示、反対意見への反論と根拠という流れで、思考の幅広さをアピールできます。
また2つの意見を踏まえた上で主張しているという説得力も生まれます。 - 多角的に考えているか:社会に出ると、さまざまな考え方や、さまざまな立場の人に主張する場面が予想されます。
そのときに、それらの意見を色々な方向から分析した上で、自分の意見を主張できるよう組み立てます。
また、あなたが書くときに気をつけるポイントは
1.一貫性のある文章を書く:5W1H (いつ(When) どこで(Where) 誰が(Who) 何を(What) なぜ(Why) どのように(How)) を意識した文章を作ることで、文章が簡潔になります。
2.根拠や具体性があるかどうか:ありがちなのが、作文のように自分の感想や過去の経験を述べて終わってしまうパターンです。
論理的な表現とは、事実をもとに自分の考えを主張したものです。文章の面白さに気をとられすぎないように。
3.語尾は言い切る:
小論文は、基本的に語尾は「だ」「である」または「です」「ます」と断定します。そのことで説得力が高まります。
ただし、語尾は「である」調か「ですます」調か、どちらかに統一しましょう。
そもそも、小論文に触れたことがなければ、たくさんの小論文に触れてみることも大事でしょう。
事前対策として、企業や業界についての研究をまず行います。
インターネットよりも、大学の就活支援センターにあるデータのほうが具体的な情報が得られます。
新卒であればOB訪問(できれば年齢の近い人)をとおして小論文試験の有無を聞き出す方法もあります。
時事問題についても、出題があるようでしたら、時事問題集などであらかじめチェックしておく必要があります。
また、文章を書いていくうちに、いつの間にか本題から外れていくことは意外と陥りがちです。
(スピーチは特にそうなりがちですけどね・・・)
それを防ぐために、まずはざっくりと序論、本論、結論の構成の中に入れる内容をメモしてから、文章を考えると良いでしょう。
<具体例>
テーマ:「将来の目標について」
に対して、
結論「第一線で活躍したい」は、意図を汲めていません。
人事からすると採用にあたってどんなビジョンを持った人か知りたいのであり、「将来の夢を教えてください」というテーマではないはずです。
これが、誰に対して何を見せるべきかの思考力を問われます。
そのためには、企業研究、業界研究で得た知識が役に立ちます。
例えば、IT関連企業であれば
「〇〇を改善するため、こういうシステムを開発する部署で貢献してみたい」
などといった具体性が必要となります。
そこへ、自分なりの問題提起・解決策・目標などを盛り込んでいきます。
このとき、問いに答えられてるかどうかも書き終わったらもう一度、チェックしてください。誤字、脱字や文章としてのまとまりなどを確認します。
私はこれらの、時間配分が一番プレッシャーでした。Yes/Noで答えられないテーマを理解して組み立てる時間と、文章を書く早さをどう調節しよう・・・と、アワアワしてました。何度か自分で書き慣れることも、大事だなと思いました。
いずれにしても、俯瞰して眺めると、文章の主張をとおして、あなたは相手と、即時ではないにせよ、コミュニケーションをしていると言えますね。
文章によるコミュニケーションという視点
小論文は、自分の主張を、相手に説得力を持ってシンプルに伝えるのに適した文章構造です。そして、あなたの書いた文章を通じて、読む人とコミュニケーションをすることができます。
例えば、
大学の試験官の人と、「私はこんな学生です」と理解してもらうコミュニケーション。
会社の人事担当者と「私は、こういう人柄で、こういう実績や能力をとおして会社の業務に取り組みます」とアピールするコミュニケーション。
何かしら伝えたいものがあって、伝えたい相手がいる。
そこから文章によるコミュニケーションが始まります。
しかし、文章を通してコミュニケーションする場合、「第一線で活躍したい」と自分の主張をただ言うだけでは、何も伝わりません。
先の例のように、
「将来の目標について」というテーマについて書く場合、
企業の人事担当者が読む場合は、人事担当者のことを理解する必要があります。
何のためにそのテーマを出したのか?
企業の業務をする上で、このテーマはどう関わってくるのだろうか?
業界では何が注目されたり、問題になっているのだろうか?
人事担当者は何を求めているのだろうか?
それらを理解することで、その企業に就職した時の「将来の目標」を、人事担当者に伝わるように書くことができるようになります。
つまり、あなたが相手を理解してから、あなたの主張が理解されるのです。
あなたが自分自身を理解するために、相手のことを理解する必要があります。
なぜなら、相手のことは、あなたの視点が見えかたを決めているからと言えます。
そうするには、自制も必要です。
自分の表現したいことをグッとこらえて、相手を理解することは、骨の折れることだと思いますか?
では、相手が、あなたの訴えを全く聞いてくれず、「あなたには、私がオススメする〇〇がいいわよ」と言われて役に立てようという気になりますか?
これが、理解すれば理解されるという順番の意味です。どちらにも、主張する権利があり、相手を理解する必要があるのです。
読み手が何を求めているのか?を知って、自分の視点はさておき、自分の主張を読み手に合わせて出していく必要があります。
提出後、目にするのは、相手にとって、初めて知るあなたの文です。あらかじめあなたのことを知っているわけではありません。
また、文章は、相手に伝える前に、自分で手直しすることができます。
読み手はどう感じるのだろうか?という意識で、書き終わった後に推敲し、言葉が被っていないか、回りくどい表現をしていないか、などを確認する必要があります。
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誰に向けて書いて、どういう影響を与えるのか?
小論文に限らず、文章はすべて「読んだ人の心にどんな印象を残すのか?」という部分がポイントになってきます。
印象を残すことで相手に何らかの影響を与えることができるのです。
あなたにとって、印象に残る文章はあったでしょうか?それはどんなものでしょうか?
私が印象に残っている文は、詩ですが、宮沢賢治の「春と修羅」の書き出し部分です。
「わたくしといふ現象は仮定された有機交流電燈のひとつの青い照明です」
化学と空想が入り混じった独特の言葉遣い。
その世界観を知ることで、そんな見方があるのか、と世界を見る新しい視点が増えたように思います。
コミュニケーション能力は、人の縁を繋いだり、育んだり、相手に共感や感動を創り出します。
感動したら、人はその影響で、行動を変化させるでしょう。
書いた人のファンになったり、その人の書いた文章を常に自分の頭の中に入れ、自分の行動に取り入れようとするかもしれません。
文章によるコミュニケーションを通じて影響力が生まれ、知る前とは違う現実が現れるのです。
テクニック論中心のノイズ情報に惑わされないこと
小論文や文章を書くことはとても深い世界です。
試験や就活など、目先の目的だけのために文章を書くことを習慣にしてしまうと、浅いコミュニケーションしかできず、浅い人間関係しか築けない人になってしまいます。
言葉は、情報を伝えるには必須のツールであり、記号にもなります。
書き言葉や話し言葉を問わず、言葉を発するまでに、人は膨大な背景情報(コンテクスト)をもとに、言葉を話します。
ですが、背景情報全てが言葉になるのではなく、そこからその時に応じて言葉を選んでいるのです。
例えば、日本は米を「炊飯器で炊く」という文化を持っています。しかし、スペインでは米は野菜扱いで「炒める」ものです。
その背景知識の共有なしに、米の調理法はこうだ、と言っても、日本人とスペイン人が一つの場所にいて聞いていたら、一部の人には理解できずに頭の中に、はてなマークが飛んでいるかもしれません。
テクニックは、その時々のあなたの状況に適したことが書いてあるのではなく、あくまで最大公約数的なものです。
そのひとが書いたテクニックの背景情報までは言葉に現れないので、選択を間違うと、どこかズレた文章になってしまいかねません。
「言葉」だけでは、自分以外の人の考えを完全に共有することは不可能だと言うことも、前提として考えておく必要があるでしょう。
言葉のように、見えるものの背景に潜むもの(コンテクスト)まで共有されて、「ああ、そういうことか」という言葉が相手から出ることもあります。
私は撮影の時、なるべく背景知識、前提知識(コンテクスト)を得てから撮影したいと考える方です。
なぜなら、ただぶっつけ本番で撮った写真と、ずっとその被写体に寄り添ってきた人の写真を比べると、ずいぶんと視点が違っているからです。
そして、被写体への思いが伝わってくるのは、やはり、コンテクストを事前に知っている写真であることが多いからです。
また、自分もその立場に身を置いてみた、という体感があれば、言葉なしでも理解しやすかったりします。
今回は、文章ですが、ツールが違っても似たことをしているものですね。
文章には、背景知識が必要で、ただテクニックだけでは、伝わる文章にならないことがお分かりいただけたでしょうか?
ゴールを決めるのが苦手な日本人社会
このように、文章の型だけ求めて、目的が何であるか、までに考えをめぐらすことが苦手なのが日本人社会です。
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これまでの教育が、高度成長期の時代に、「言われた通りに同じものを大量生産する、すでに決まった目標に向けて突き進む」ための教育であったことも影響が大きいでしょう。
大学時代の授業でも、そうでした。「ひたすら一方的に、言われたことを聞くだけ」「資料に書いてあることを読んでいるだけ」
先生が「質問は?」と聞いても誰も手をあげない。
ですが、医学系の職場にいた時のことです。
病気についていろいろ勉強する会があるのですが、休憩を挟んで、2時間以上ずっと発表したことに対して質問が飛び交っているのです。
どれだけ、論理的な思考訓練をしてきたんだろう、とびっくりしたのを覚えています。
診断にはあらゆる方向から事実を検討する必要があるので、自然と訓練されて行くのでしょう。
多くの人は、ただ、訓練の機会がないだけ。
だから与えられた目標とか目的に疑問を持たず、思考停止で乗っかってしまう。
目的が曖昧なのに行動できてしまう という人が多くなっています。
しかし、これからは、与えられた目的に合わせて働く、ということに関してはAI(人工知能)に人間は勝てなくなってしまうでしょう。
人間だけができることは、自分で目的を見つけられること。これが重要です。
もとから、言われたことをやり遂げるのは得意なのですから、ゴールを自分で設定できれば最強ですね!
それには、「自分が」どうしたいのか? 考えを押し付けるのではなく、どうしていきたいか、を自分の頭で考える訓練が必要になってきます。
目先の目的は受験のため、就職のため、とかでもいいけど、そこに、さらに自分なりの目的を乗せられることが大切だと思っていただければ、とても嬉しく思います。
未来は、どんどん不透明な世界になりつつあります。
なので、どこへ向かうのかは、自分で設定しましょう。
それが、日本国外でも通用する日本人の強みになっていくでしょう。
一番大切なのは、読み手の心に届くこと
文章を書くことは、難しそうに感じるかもしれないけど本質はシンプルです。
誰に向けて、どういう印象を残し、その人との関係をどう変えたいのか?
そのために、どういうテクニックを使ってどういう文章を書けば、相手の心に届きやすくなるのか?を考えて書いて行くのです。
私の場合は「私の気持ちに寄り添ってくれている」「あ、それ分かるなぁ」と共感できると、その先へ読み進めたくなります。
聞いたり読んだだけで終わらせないで、「じゃあ、もう一度説明してみて?」と、自分の言葉で誰かに説明してみる。
それだけで、自分がわかったかどうか、実感として自己点検できます。当事者意識も出てきて、何が重要なのかが、本質を探そうと脳が働き、自分で理解できるようになります。
それだけでも論理を組み立てる力は、鍛えることができます。
ネットにはあらゆる情報があふれていますが、全ての人がこれでOK、というわけにはいきません。
相手を知ることは自分を知ること。
理解すると、理解されます。そこを意識してトレーニングしていきましょう。
では、最後に、社会に出ても活躍できる小論文の書き方についてまとめたいと思います。
この記事のまとめ
最後に、この記事で大事なところをまとめておきますね。
書く前に、読み手について知ること、そうすることで自分がどう表現すれば相手に伝わるかが決まってくる。
小論文はテクニックを理解することも必要だが、背景情報があって初めて生きてくる。
小論文とは、事実に基づき、論理的に自分の主張を展開し、相手を説得する文章である。それは社会でも応用ができる。
また、文章の書き方や、文章力を鍛える方法に関しては、これらの記事も併せて読むと、相当に理解が深まるはずです。
参考記事:
文章の書き方はテクニック?このスキルで人生の質が大きく変わる
参考記事:
文章力の基本とは?賢く鍛えるためのトレーニング法
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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本気で人生を変えたいあなたへ
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
「賢者の知恵袋」では、未来を予測しづらい現代社会を、賢く生き抜くための様々な情報を発信しています。
私自身、職探しに苦労していて、自分がいくら我慢しても状況は良くならず、どんな未来を描けば良いか迷いの中にいました。
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賢者の知恵袋」 ライター、フォトグラファー、管理栄養士。写真を通して表現を追求する人を応援することをテーマに活動する。そこで生まれる人とのつながりを、より良いものにしたいと考えている。そのために、悩みや問題に突き当たった時、どうずればより賢く、スムーズに解決に向かうか。ヒントになるようなことについて、考えを巡らせつつ、活動中。
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